FCJ 中国に行く!!
〜中国北京!フィットネスと観光の2泊3日の旅 part 2&3

 ●2日目(11月15日)●

◇北京の朝◇

この時期の北京は雪はまだ降っていないものの寒いのですが、ありがたいことに滞在中の3日間はほぼ暖かい日中を過ごすことができました。北京の初めての朝は、異国の地での興奮か早くに目覚め、20階の部屋から朝日を見ることができました。一同ロビーに集まり、28階のレストランで朝食をとったあと、中国のフィットネスの原点であろう、太極拳を見学に天壇公園へ。

中国の夜明け
◇天壇公園で見たもの◇

もともとは明の時代から政(まつりごと)を行う場所でだったのですが、今では緑地は一般市民に開放(観光客からは入園料とります)され、朝の憩いの場所になっています。
9時頃到着して、まず目に付いたのは、社交ダンスをやっている集団。朝から何だか日本では見たことない光景です。そのそばでは、羽のついた玉(インディアカの小さいもの)を輪になって蹴り上げているグループ、太極拳をやっている人達・・・。話しによると6時頃から集まり、やっているらしい。
そこから、施設の方へ向かうと長屋のような長い建物に多くの人が群がっています。何々?と覗いてみると、歌歌っている人、トランプ、麻雀、将棋のようなものをやっている人、胡弓を弾く人、またそれを見ている人で、一見外から見ると祭りの夜店みたいな感じがします。そこにはお年寄りのコミュニティが形成されており、見事に笑顔笑顔笑顔。みんな楽しそうな顔をしています。カンさん曰く、ここの近所のお年寄り達は午前中ここで過ごし、家で昼食を食べ、午後はゆっくり過ごすらしい。すばらしいコミュニティであり、健康維持の原点を見たように思います。

↑社交場の中では、歌を歌っている人も。
↓羽蹴り?!
天壇公園の朝↑太極拳
        ↓社交ダンス
コンベンション会場外観 展示会場内 ボディコンバットチームによるデモンストレーション


↓ボディコンバットチームと金谷氏
◇いよいよ「アジアフィット2002」の会場へ◇

昨年は、香港で行われたこのコンベンションも今回で6回目になります。今年は、中国首都北京の中国国際貿易センターと中国国際ホテルでビジネスとフィットネスのコンベンションがそれぞれ行われました。
ビジネスコンベンション入場料は10元。中に入ると、日本のものより規模は少し小さいですが、目の前で行われていることは同じです。メーカーを中心とする各企業がブースを出し、女性が中心に説明をしながら、テーブルでは商談が行われています。少し奥へ進むと、昨日御世話になった「青鳥健身」のブースもありました。一番奥では、ステージがつくられ、壇上では表彰式が行われています。その後、先ほどの「青鳥健身」のエアロビクスとボディコンバットのチームがデモンストレーションを披露。写真は、アジアフィットネス協会名誉会長であり株式会社エックスライズカンパニー金谷圭二代表取締役とボディコンバットチームとの写真です。
今回残念なことは、日本の企業ブースが無いことと、日本人の来場者がいないことです。「日本から来ました」と伝えても「そうですか」といったサラッとした感じ。このビジネスコンベンションでは、日本のフィットネスの主張は皆無。アジアのコンベンションに主張がない日本。そんな感じを受けました。この詳しいビジネスレポートについては、後日アップ致します。

◇フィットネスコンベンション会場へ◇

それから、気持ちをあらたにフィットネスの会場へ。うろうろしていると、丁度プログラムが終了したようで、部屋からぞろぞろ人が出てきます。どんな方がいるのかなぁと見ていると、その中に中尾和子さん発見。日本人とは誰とも会っていなかったので、驚きと流石!という思いで声を掛けさせて頂きました。知り合いがいた事も感動でしたが、先ほどの流石と思ったように第一人者として活躍する理由がそこにはあったと思います。中尾さんは、リーボックのプレゼンターとして、1人で来ているとのことでしたが、その行動力と影響力には、海という隔たりは無くグローバルな活動範囲に一瞬の出会いでしたが学ぶものがありました。そして、更にプレゼンターで1人で来ている方発見。田中智子さんと言って、自分でビジネスビザまでとった行動派のフリーのインストラクターです。田中さんに関しては後日、それに至った経緯など詳しく聞き、お伝えしま
す。今回お会いした、第一人者の中尾さんに、若手の田中さんというお二人のインストラクターにお会いして、ホッとしながらもこんなに近い国なのにプレゼンターが2人という現実。アジアの中でのフィットネス先進国としての位置づけに危機感を感じました。アジアのフィットネスというものをぜひ、いろんな方と考えてみたい。そして、作り上げることがこれからの日本において必要であり、提案し、アジアの他の国のインストラクターとも融合できたら、どんな発展をするのか・・・。
来年はぜひ、インストラクターやフィットネスに関わる人とここに来て、同じ物を体感し議論できたらと思いました。

会場前で・・
中尾和子さんと金谷氏
◇中国4000年を感じる「万里の長城」◇

コンベンション会場を後にして、向かったのは観光の定番「万里の長城」。高速を走ること1時間。近代的な北京市内ばかりみていた私には、それは新鮮なものに映りました。乾燥した空気に茶褐色の土地、以前テレビで見た、ひとつの中国らしい風景がそこにはありました。都市部よりは寒く、太陽が照っていても、スプリンクラーの水で濡れた木々からはツララが垂れています。車を降りると、最近北京でコンサートを行ったGLAYも乗ったという6人乗りのゴンドラに乗って、一気に山肌を昇り頂上近くまで。少し下りのトンネルを下るとそこは、万里の長城〜!!。かなり高い位置にいるはずにもかかわらず、どこまでも続く、城壁。モンゴルから国土を守るためにつくられた城壁は何と6700キロにわたり、北京周辺だけでも690キロ。1キロは中国の距離の単位で2華里で13400華里だから万里。なるほど・・・。しかし、とんでもないものを見てしまった感じがしました。少し昇ると、あまりの高さに慣れるまで足がすくむ。急斜面を登り下り、気を付けないと転げ落ちそう
な勾配です。そこから望む眺望は、手前の山に向こうの山、更に向こうの山、どこまでも山肌を縫うように城壁が遠くまで続く。人生観が変わるこの風景、ぜひ生で体験していただきたいと思いました。

↑万里の長城にて
↓ロープウェイから下を望む
◇いよいよ本場北京料理◇

いよいよ、北京ダックを食べにお店に到着。この食事では劉(リュウ)さんというゲストと一緒です。劉さんは、北京体育大学の講師も勤められる中国のエアロビクスインストラクターの第一人者でもあります。国内の競技会では数々のタイトルもとり、現在はTVに
出演したり、中国のフィットネス界の発展に非常に力を注いでいるひとりです。非常にキュートな方で、にこやかにスマートな語りで、ガイドのカンさんを通訳にして中国のフィットネス事情をお聞きしました。中国では、一般向けの競技会とインスタラクターが参加する大会があり、地方予選からの参加者は1万人を超えるとのこと。さすが、10億を超える人口がいるだけに、半端でない数字。詳しい内容は、またレポートにてお伝えいたします。
肝心の食事ですが、北京ダックは最高においしいものでした。日本では、そんなに食べないのですが、いくつ食べても飽きないし、また紹興酒がよく合うんです。しかし、何度か来たことのある、同行の1人が「これだけは食べてほしい」と言い出てきたのは「サソリ」の唐揚げ。恐る恐る食べてみましたら、サクサクして香ばしくエビのようでした。ちなみに、その後すぐに劉さんは日本の大学に仕事で来られるとのことで、再会を約束して楽しい2日目の夜は終わりました。

↑さそりのからあげ
↓劉さんと
金谷氏
←デパート外観


→スポーツ専門店外観。今にもシュートしそうですよね。

◇いよいよ最終日◇

●3日目(11月16日)●

3日目の朝は、少しゆっくりめの朝食を北京市内を見下ろしながら食べた後、フィットネス産業のひとつである、ウェアやグッズの販売現場を見学に行きました。1件目のデパートは、巨大な吹き抜けのある、非常に大きな百貨店です。1階のフロアにあるスポーツ用品売場に入ると、セール中なのか、1つのワゴンに何人も店員がついて、声を出し売り込んでいます。日曜日の朝だったためか、そんなに混雑してはいませんでしたが、売場では日本での当たり前の風景がありました。少し違う点としては、販売員が多かったことかもしれません。2件目は全館スポーツ用品ばかり扱う、バンジーまである専門店です。ここでは、フィットネスウェアの専門店に入り、見学。外に出てみると、時間は正午前。休みの朝をゆっくり過ごして街に出てきた人達で、少しずつ埋まり始めています。近代的な百貨店に昔っぽい飲食街のコントラストが、懐かしい感じがしました。曇り空で寒いものの、あくせくしていない、何だか心地の良いリズムで流れるここは、気持ちのいいところでした。

北京の繁華街
◆中国にいってみて◆

定刻より30分ほど遅れて、北京国際空港を出発した飛行機が成田に着いたのは、19時頃だったでしょうか。今回私が体験してインパクトが非常に強かったものの一つに社会主義的な資本主義の近代化の異常なスピードの速さがあります。その象徴ともいえるインフラは、空港からまっすぐに北京市内まで続く片道3車線の高速に、広く信号の少ない幹線道路に、近代的で中国らしい建物の数々。夜になるとこれでもかとばかりの電飾・・・など多数。
また、今回の最大のテーマでもある中国のフィットネス産業のコン
ベンションを含めた視察では、日本の企業やフィットネス文化が参加していない現実。存在さえも無視されているというのは、大げさではあるが、主張がないものには、答えようのないものも事実だろう。当然日本においても、学びはたくさんあるのだが、海を渡り、他国の文化に浸かることがこんなに刺激があるとは出発前は思わなかった。レポート途中にも記述したが、フィットネスというものが日本に来て約20年。そろそろ、日本独自のアジア的なフィットネス感ややり方が出てきてもいいころで、それをぶつけ合うことはあってもいいのではないだろうか。企業や団体として、インストラクターとして、アジアの中の日本を考えながらのレッスンや事業は、毎日のおもしろさをつくるかもしれません。それを持って、来年、再来年と一緒に「アジアフィット」に行きましょう!!そして、もっと私も含め、フィットネスを盛り上げていきたいですね。この産業に関わる一人として、そんなことを考えるようになった2泊3日のアジアンフィットネスでした。(K)

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